若狭湾で水揚げされる若狭がれいはヤナギムシガレイで、数あるかれい類の中でも絶品とされ、江戸時代の書物「日本山海名産図会」でも「雲上の珍美」と絶賛されている。身自体の深い味わい、皮、子の旨み、上品で香ばしい香り、そして白身が美しい。中でも、透き通った身にピンクの卵巣を持った子持ちがれいは、脂ののった格別の一枚。これを軽く火であぶって食べると、通もうなる逸品。若狭がれいの大きさは体長20cm前後で、大きいものは25cmを超える。毎年9月から翌年5月頃まで底びき網漁で漁獲されるが、特に9~10月までの2か月間で、年間の漁獲量の7割を占める。漁で捕れたかれいは地元ですぐに一夜干しに加工。旨みを引き出すには寒風でさっと干し上げるのがコツ。身が淡泊で水分の多い魚であり、塩をして天日に干すことで透き通り、身が締まっておいしさが増す。お歳暮の時期には、出荷のピークを迎える。