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水ようかん

(みず 羊羹)

福井の冬の風物詩

福井県民に福井のお菓子と聞けば、多くの人がその名を挙げるほど昔から名物として定着しているのが「水ようかん」である。他県の人にはなかなか馴染みがないが、実は福井では水ようかんを雪が降る寒い時期に、こたつに入って食べる習慣が根付いている。その理由は材料にあり、一般的な練りようかんと同じく、砂糖と餡を寒天で固めて作るが、ふだん夏に食べる水ようかんは、水飴などいろいろなつなぎが入っていたり、腐らせないため添加物が入れてあることが多い。それに対し、福井の水ようかんは、黒砂糖と小豆、それに寒天のシンプルそのもの。あまり日持ちしないので、寒い冬に作って食べたということである。砂糖と寒天の分量を少なくすることで甘味を抑え、のど越し良くあっさりとした味に仕上げている。水ようかんにはヘラが付いていて、すくってそのまま食べる。

起源は諸説あり、江戸時代から約200年続いたとされる丁稚奉公の時代に年末の帰省時に奉公先から持ち帰った小豆で作ったという説や、持ち帰った羊かんを水で伸ばしてつくり直し、近所に配ったという説などがある。餡を使用する餅屋や饅頭屋でも作られるようになり、大きな木枠に流し入れた水ようかんを店頭や自転車の荷台に置いて切り売りして販売するなど、庶民にとって身近な存在だった。

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水ようかん
(みず 羊羹)

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