自然豊かな福井県は酒造りに適した水、米、風土に恵まれており、全国清酒鑑評会では複数の福井の地酒がコンスタントに賞を取っている。県内の約半数が、蔵元自らが杜氏を行う「蔵元杜氏」という形で酒造りが行われている。酒蔵によって酒の造り方、品質管理、酒質、価格などもさまざまで、甘口、辛口以外に、今では芳醇旨口と言われる地酒も多くなってきた。研ぎ澄まされた一滴一滴の水を大切に使い、最高の気候条件の中で、水や米などの素材を最大限に活かす。数多くの銘酒はその上で酵母の性質や杜氏の腕があって生まれる。
越前・若狭の地酒は福井県越前・若狭地域で作られた清酒のことです。福井県酒造組合によって商標登録されています。古くから、清らかな水と豊かな土地で人々が栄え、そして酒造りも栄えてきました。酒を造る際には、たくさんの米と水が必要ですが、越前・若狭ではその水源として白山山系の雪が溶けて九頭竜川や日野川、耳川などといった名だたる川へと流れ込みます。この地域は古くから酒の名産地として知られ、各酒蔵は独自の井戸を持ち、その水質の違いが酒の味わいに影響します。このように自然の恵みに育まれたお酒には、福井の美しい水と自然の恩恵が凝縮されています。
福井は豊かで美味しい水がおいしいお米を育みます。その代表格が福井生まれの「コシヒカリ」であり、また酒造りに適した米(酒造好適米)の「五百万石」も全国有数の生産量を誇ります。昼夜の厳しい寒暖の差、肥沃な土壌、そして丹精込めた酒米の栽培が、福井の自然と酒米造りの情熱が良質のお酒を生み出しています。
そして、酒蔵では蔵元、杜氏、蔵人の三者が一体となり、その年の気候や条件に応じて経験と技術を駆使して酒の特徴を保ち、味を作り出しています。こうした伝統的な手作りの酒づくりが越前・若狭の地酒の特徴です。