一般には水羊羹は夏の風物詩であるが、大野では冬を代表する風物詩、冬の味覚「でっち羊かん」。でっち羊かんは、その厚さが特長。名水のまち大野の地下水を使用して寒天を溶かし、小豆と黒砂糖を加えて煮詰め、絶妙なバランスで作りあげるでっち羊かんはそのつるっとした口当りと昔ながらの味わい。名前の由来は、昔、商売を見習うのに丁稚奉公というものがあり、使用人(丁稚)が年に二度の休み、正月と盆だけ里帰りするときに羊かんを持たせ、家に帰った丁稚はこの羊かんに水を加えて煮詰め直し量を増やして、柔らかい羊かんを作って近所に土産として配ったところ、評判だったという説がある。福井の寒い冬、特に正月にこたつに入って食べるのが習慣となっている。