福井県の伝統の郷土料理”ぼっかけ汁”は、ごぼうなどの根菜類、油揚げ、糸こんにゃくといった具材を削り節の出汁で煮込んだものをご飯の上に「ぶっかける」料理。「ぶっかけ」という言葉が次第に「ぼっかけ」と変化して、現在の名称になったようだ。しっかりとしたごぼうの香りから、恵み豊かな土地柄がうかがえる料理。寒い冬に炊きたてのご飯にあつあつのぼっかけをかけて食べれば身も心も温まる。地域によっては、正月三が日の夕食に出されたり、結婚式の最後に花嫁さんに食べてもらう風習が今も残っている。
「ぼっかけ」とは、福井県で100年以上前から食べられている郷土料理です。炊き立てのご飯に、根菜や糸こんにゃくなど具だくさんの熱い汁をかけて食べる料理です。その名前の由来には、熱々の汁をごはんにぶっかけることから「ぼっかけ」と呼ばれる説や、美味しさに感動した客人を引き留めるために振る舞われたことからという説があります。どちらにせよ、福井県を代表する郷土料理として愛され続けています。
「ぼっかけ」は広く親しまれていますが、地域によって具材や食べ方、味付けが異なります。例えば、勝山市では赤いかまぼこや三つ葉の入った出汁をかけ、わさびや海苔を添えるお茶漬けのようなスタイルもあります。どちらもお酒を飲んだ後にさっぱりと食べられる料理です。
祝い事や正月の夕食、結婚式の最後に出される地域もあります。また、浄土真宗の催事である報恩講の夜食としても提供されることがあります。
調理方法は、厚揚げやごぼう、人参、糸こんにゃくなどの具材を削り節などのだしで煮込み、醤油などで味付けします。そして、炊き立てのご飯に汁ごとかけて提供されるのが一般的です。
主な伝承地域:嶺北地方、坂井市、勝山市など
主な使用食材:厚揚げ、ごぼう、人参、糸こんにゃく、削り節